【有料版】エネルギー医学の最前線 vol.1〜

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エネルギー医学の最前線 vol.43  降矢 英成  - 11 -

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【11.エネルギー医学の基盤となる「量子生物学」
  ~ブルース・リプトン『思考のすごい力』より】


前回まで、生体において「エネルギーの伝達経路」に関するさまざまな研究を
概観してきましたが、その理論的根拠として多くの研究で「量子論」「量子物理学」
が基盤となっていました。

しかし、生体についての検討には、やはり物理学だけでなく、
「生物学」や「解剖生理学」の視点において、この量子論的な見解が欲しいところ
ではないでしょうか。


 それが、「量子生物学」という領域になります、、。

まさに、「生物」の領域を量子論、量子力学の視点でみることになり、
物理や化学の領域では当然とされている量子的な現象が、
本当に実際の生物の領域でも起こっているのかを証明してくれることになります。


 今回、この「量子生物学」のテーマでご紹介するアメリカの細胞生物学者の
ブルース・リプトンは、新しい遺伝子学である「エピジェネティクス」の推進にも
一役買っている学者で、DVD『ザ・リヴィング・マトリックス』にも
ロック歌手のようなエネルギッシュな風貌で出演していましたね!




【 細胞の“脳”は「核」ではなく「細胞膜」である 】


 まず、リプトンが注目したのは、遺伝子が生物の情報を決定しているという
「遺伝子決定論」でした。

このことから細胞には多くの細胞小器官がある中で、細胞の“脳”にあたるのは、
大事な遺伝子を納めている場所である「核」だ、という決めつけが起こったというのです、、。


 核を取り除いた細胞がどうなるか、という「除核実験」をしたところ、
遺伝子がなくなるため、タンパク質が壊れても取り替えることができず、
また分裂もできないので、やがては死にいたるそうです。


しかし、脳をとったらすぐ死ぬはずですが、この「除核細胞」はしばらく生き続け、
何と2ヶ月くらい生き続けたものもあったそうです。
(赤血球も、核がないのに3ヶ月くらい生きていますね)


 除核した細胞がやがて死ぬのは「脳」を失ったからではなく、その理由は
「再生産能力」を失ってしまったからであり、このことから、細胞の核は脳ではなく、
細胞の生殖腺なのだ、とリプトンは言っています!



それでは、細胞の脳は何なのか、、? 
どこにあるのでしょうか? 

そのための研究として、原核生物が適していたそうです。


もっとも原始的な細胞ですが、食物を摂って消化し、呼吸もするし、老廃物の排出も行い、
どこに食物があるのか感知し、その地点まで移動していくといった「神経学的」な
情報処理も行える、、。


つまり、もっとも原始的な原核生物にも、「知性(脳)」といえる機能があるわけです。

では、核も細胞小器官もほとんど存在しない原核生物の細胞の、
いったいどの部分が「知性(脳)」の源なのでしょうか? 

存在するのは細胞膜とリボソームくらいしかなく、ここから脳の候補として挙げられるのは、
細胞膜をおいて他に考えられない、ということが分かったのです。





【 では、細胞膜の「脳の機能」はどこにあるのか? 】


細胞膜といえば、一般的には「リン脂質の二重層」という構造がイメージされます。

しかし、細胞膜には、リン脂質が並んでいる間に「内在性の膜タンパク質」という
タンパク質があり、この部分が物質を選択的に通す働きをしており、
「細胞の感覚器」ともいえる部分となっています。
(レセプタータンパク質)


そして、感覚器としての膜のタンパク質の他に、
受け取った情報に適切に反応して生命を維持していくために働く「運動神経」
に相当するタンパク質もあるのです。
(エフェクタータンパク質)


この「エフェクタータンパク質」は、細胞の中にもあり、
例えば、前回まで何回も登場した微小管、マイクロフィラメントなどの「細胞骨格」
も細胞の形態や動きを制御するエフェクタータンパク質で、
分子を分解したり合成したりする酵素もエフェクタータンパク質の1グループになります。


このように、細胞のタンパク質が細胞、生命の維持、コントロールに対して
重要な働きをしており、遺伝子が細胞、生命の活動をコントロールするのではなく、
実際にコントロールしているのはエフェクタータンパク質なのだ、とリプトンは説明しています。


その証拠として、核を取り去っても細胞は生きてある程度の活動を行えたのに対し、
細胞膜のレセプタータンパク質を破壊すると細胞が環境からの信号を受け取れず、
活動できなくなってしまい、
いわば昏睡状態、脳死状態になってしまうそうです。


そして、さらには、レセプタータンパク質はそのままにしておいて、
エフェクタータンパク質が形を変えないように固定すると、
やはり細胞は昏睡状態に陥ってしまうのだそうです。

遺伝子が納められている核を除いても、細胞は動いていたのに、、です。




【 細胞膜は“コンピュータ・チップ”と同じ 】


リプトンは、細胞膜が情報処理システムとして(脳として)どのように機能するのかを研究し始め、
ある時「棒が2本ささったキャンディーのような脂質分子の図をじっと見ていたら、
統制のとれた兵士が隊列を組んでパレードしているようだと気づいた。

構成分子がある決まった配列を繰り返している構造は、
「結晶」の定義にあてはまる」と気づいたそうです
・・・「膜は液晶(柔らかい結晶)である」



また、細胞膜には「内在性膜タンパク質」があり、物質を通す(conduct)ことができる。

そして、膜にはすべてを通すのではなく、物質の種類によって
通したり通さなかったりする性質(半透性)があることにも気づくのです
・・・「膜は半導体(semiconductor)である」


さらに、内在性膜タンパク質にはレセプタータンパク質とエフェクタータンパク質があり、
レセプタータンパク質が「ゲート」ともいわれ、
エフェクタータンパク質は栄養分を取り入れ、
老廃物を排出する「チャネル」と呼ばれるグループがあることに気づきます
・・・「膜には“ゲート”と“チャネル”がある」



まとめますと、

「膜は液晶で、半導体で、ゲートとチャネルがある」、、。



そして、リプトンは、コンピュータ・チップの解説書に
「チップとは、結晶構造の半導体で、ゲートとチャネルをもつものである」
と記述されているのを見て、

「コンピュータのチップと細胞膜が、技術的には同じ定義で表されるとは!」

と呆然としたそうです、、。


そして、細胞のコンピュータ的な性質を、


1、コンピュータと同様、細胞もプログラム可能である

2、プログラマーはコンピュータ/細胞の外にいる

3、細胞は環境(外~心も含めて)から情報をダウンロードしてくる

4、核は単なる記録用のディスク(二重らせんメモリーディスク)である


と、とらえています。



このことから、リプトンは、生物学を量子力学、量子論の視点からとらえる
「量子生物学」の必要性を唱えるようになっています。



ところが、このことを研究するのは簡単ではありません。


しかし、嬉しいことに、この「量子生物学」の流れは、ここ10年くらいの間に
飛躍的に進んでいることが分かってきました!




 -------次回以降、「量子生物学」の最前線をご紹介していきたいと思います。




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降矢英成(ふるや えいせい) 赤坂溜池クリニック院長。

東京医科大学卒業。日本心身医学会専門医。NPO法人日本ホリスティック医学協会副会長。
医学生時代からホリスティック医学に関心をもち、バイブレーショナル・メディスン、フィールド、
生体マトリックス、量子場脳理論などエネルギー医学のメカニズムに関心が強い。





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